宇宙人


2008年、高知で結成された4人組バンド「宇宙人」。昨年は、無名なバンドながら『FUJI ROCK FESTIVAL '10』に出演し、徐々に注目を集めてきている要注意バンドだ。彼らが、7月にPERFECT MUSICから発売された先行シングル『アメーバダンス/あこがれのネクタイ』に続き、1stアルバム『お部屋でミステリーサークル』をリリースした。不思議でいびつなポップサウンドに、独特の世界観を持った歌詞が乗り、脳の中をグルグルグルグル…一度聴くともう離れません。  作詞作曲を行う歌姫・しのさきあさこ(Vo.)が雑誌取材のため来阪し、取材終わりに須原氏(ギューンカセット レーベルオーナー)と寿司を食べていると聞きつけ、ギューンカセットWEB班も始動! JR天満の有名寿司屋・春駒で寿司を堪能した後、須原氏なじみの日本酒バーへと移動。どさくさにまぎれてインタビューを決行した。

●お寿司、おいしかったですね。

あさこ:おいしかったです。

●あさこさんお酒強いですね。

あさこ:えへへ。

須原:高知は酒どころだからね。宇宙人は、メンバー全員酒強いよね。

あさこ:そうですね。みんな強いですね。最初の頃はバンドの練習はせずに、食べ歩きばっかりしていました。

●笑。メンバーとはどんなきっかけで出会ったんですか?

あさこ:いつの間にか集まっていました。…謎です。

●これから謎だらけの宇宙人の真の姿を暴いていこうと思います。

須原:ほほう。

●まず、「宇宙人」ってあさこさんが付けたんですか?

あさこ:そうです。本当は他に付けたいバンド名があったんだけど、ダメだったんです。

●ダメだった? どんなバンド名にしようと?

あさこ:   。

●え?

あさこ:   ですね。

●あさこさん?

あさこ:パソコンのスペースキーを3回です。

●あ! “   ”(スペースキー3回)ですか。

あさこ:はい。“   ”です。空白みたいなバンド名にしたかったんだです。

●まさに空白ですね。

あさこ:でも、ライブハウスの人に「ライブをするには、バンド名が必要」って言われたんです。

須原:そうだったんだ。発音できないバンド名は困るもんね。

●フライヤーとかにすると、なんのこっちゃ分かんないですね。空白ですからね。

あさこ:そうなんです。フライヤーを見ても、自分達が出演するバンドだって誰も気づかないじゃないですか。そういうのをやりたかったんだけど、ダメでした。なので、よく耳にする“宇宙人”って言葉にしました。

●ほう。では、今作のタイトルが“お部屋でミステリーサークル”になった経緯は?

須原:ぎりぎりまで全然決まらなくて。メンバーに、タイトルの候補を3つ挙げてきてもらって、その中からピンとくるモノを僕が選びました。M-13「おばけ」の歌詞で“ミステリーサークル”って言葉が出てくるんですけど、あさこちゃんが自分の部屋でミステリーサークルを作ってたら、きっとおかしいだろうなって。

●そうですね。おかしいですね。

須原:宇宙人って、自分たちのことをあんまり話さないんですよ。僕も、あさこちゃん以外のメンバーについては、レコーディングの直前まで名前すら知らなかった(笑)。

●えー。

須原:宇宙人というバンドと接していると、“どこにも属したくなさそう”って思う。人懐っこいけど、実は全然人懐っこくない。どこにいても、すごく「アウェー感」を感じていて、でもそれがすごくいいよね。

●いいですね。曲もかっこいいし歌詞も独特で興味深いし、最高じゃないですか。

あさこ:えへへ。褒められた。

須原:良かったなー。

●いつから音楽を?

あさこ:母親が胎教の為に宝塚を聴いていました。

●生まれてからは?

あさこ:小さいときは劇団四季を観に行っていました。

須原:子供の頃に聴いてきた音楽は、今作ってる曲って何か関連づけられていると思う?

あさこ:ないです。でも、3歳くらいの時に、録音ができるマイクのおもちゃにハマっていて、自分で録音したMDが家にたくさんあるんです。それを今聴くとおもしろいです。

須原:どんな、歌を歌ってるん?

あさこ:「サボテンがにくい」。

●なかなかのチョイスですね。

あさこ:でも今の音楽とは全く関係ないです。

須原:僕はあさこちゃんが以前やっていたバンドも知っているけど、宇宙人よりメジャー指向だったかな。宇宙人は、あさこちゃんのありのままが出てる気がする。

あさこ:何も考えずにやってます。

須原:それはそれでどうや(笑)。

●“FUJIROCK2011”にも出演されたんですよね。

あさこ:はい。応募したら出れました。

●応募したら出れるようなイベントでしたっけ?“選ばれた”てことですよね。

須原:そうちゃうかな。普通はパッと出れるもんじゃないんちゃう。

●そうそうたる出演陣がそろっているイメージが。

あさこ:確かに、他のバンドには大人の人が付いていました。

須原:バンドだけで、ヘラヘラ行ったのは君らだけちゃう?

●ヘラヘラ(笑)。

あさこ:私たちに、フランス人とか、オーストラリアの自称ドラマーとか外国の人がすごい話かけてきてくれました。

須原:すごいな。

●出演されて、いかがでしたか?

あさこ:遠かったです。高知から、車で14時間かかりました。本当に遠かったです。無いかと思いました。

●それは、おつかれさまでした(笑)。今作『お部屋でミステリーサークル』の収録曲はいつ頃の曲ですか?

あさこ:M-9「生活ガイド」は高校生の頃に作った曲です。M-7「ふりかえる、フレネミー」はいちばん新しい曲です。

●「ふりかえる、フレネミー」の、“フレネミー”って今話題の“友達ぶった敵”ですよね。そういうことを考えると、時事問題も取り入れている深さも歌詞にはあるのかなと感じました。

あさこ:多分、『ホンマでっかTV』を観てたら植木先生が「フレネミー」って言ってただけです。

●‥あんまり歌詞に意味は込めてない?

あさこ:意味の無い曲もありますし、込めてる曲もあります。

●込めてる曲はどれですか?

あさこ:……。

●あら?

あさこ:………。

●もしかして、説明する気はない?

あさこ:「この曲はこんな曲で、歌詞はこういう意味です」って説明をすると、聴く人がそういうイメージで深読みしながら聴かれるのがいやなんです。

須原:聴いてくれた人が、先入観なしで捉えてくれればいいってことだよね。

●なるほど。じゃあ、聴かないでおこう。

あさこ:須原さんがいいこと言ったー。

須原:へへへ。

あさこ:えへへ。

●えっと‥。

須原:わ。もう新幹線の時間や。

●わ、もうそんな時間!?

あさこ:いそげーー。


そんなこんなで、彼女は颯爽と大阪を去っていった。


彼女たちの名前は宇宙人。

まだまだ謎だらけの正体不明バンドだ。


本作『お部屋でミステリーサークル』のインタビューは、
フリーマガジン・JUNGLE☆LIFEにも掲載されているので、そちらをチェック!